物語の主人公は、必ず何かしら人にない特別な力を持っている。

 

勿論、そうでなければ話が進行しないから当たり前ではあるのだけれど、どんなに駄目な人間でも、何か一つの武器を神(作者)から与えられる。

でも現実は?天は二物を与えずというけれど、与えられる人は様々なものを与えられる。その反面、何も持たない者もいる。

私は、与えられなかった人間だ。知恵も、勇気も、美貌も、力も。

 

十代の頃は、ひたすら求め、夢見た。自分が何かしらの武器を与えられることを。

二十歳になる少し前にはもう、悲観するようになった。自分には何もないのだと。

けれど、このまま誰かの物語の脇役で終わるような人生はまっぴらごめんなので、探すことにした。自分が主人公になるための武器と、それを自在に振りかざし主人公になる舞台を。

 

誇れる武器を神から与えられなかった“持たざる者”は、その神の意志に背くために自ら武器を手に入れる。その武器を手に入れるための道程はどれだけの苦悩に満ちているのだろう。自ら手に入れ研ぎ澄ます武器。与えられた物でなく欲して手に入れた物の方が、より強く誇れるかもしれない。やっと、そう感じられるだけ大人になったような気がする。

 


格好つけてみたけれど要は努力して何かを得ればいいだけの話で、知恵が欲しければ勉強をすればいいし、美しくなりたいのなら身なりを整えることで少しでも理想に近づけばいい。生まれもっての才能がないから自分は駄目だと落ち込むようなことをいつまでも繰り返している場合じゃない。

そんな簡単なことに、ようやっと気付いたわけである。

 

突然異世界からの使者が目の前に現れることなんてあり得ない。その代わり、私たちは自分の力で自らが求めるものを手に入れることやそれに近づくことはできるのだ。

 

本当に、二十代も半ばになってそんなことに気付くなんて考えが足りないにもほどがあるのだけれど、今更ながらにして武器を探すということを始めてみようと決意した。決意というほど立派なものではなく、ただいい加減何も自分のセールスポイントを挙げられないのは駄目なんじゃないかと焦りはじめただけのような気もするけれど。

 

『人は誰でも自分の物語の主役』とはいうけれど、どうせだったら漫画や小説のような劇的な物語の主役になりたい。このブログは、そのために武器を手に入れようとやっとこさ重い腰を上げた私の葛藤の記録にしたいと書き始めたものである。

いつか私の、もしかしたら誰かの魔道書にでもなったらいいな、なんて思いつつ。



というやたら格好をつけた記事から始まる当ブログですが、ひょんなことから格闘技を始めた二十代の冴えない女があれこれ奮闘した結果思ったことを綴る感じのものです。